撮影現場ダイアリー

「アンガマ」 [2006.06.10]

「アンガマ」

先日、新川の青年会の方々と二度目の打合せをいたしました。
スタッフルームに足を運んでいただき、過去のアンガマ映像を見させていただき、映画の中で、どんな感じにしようかと作戦会議したわけです。
アンガマとは、石垣島で伝統的に年一回お盆の時期に行われる儀式のことで、お面をつけたウシュマイ(おじぃさん)と、ンミー(おばぁさん)の二人が、タオルと笠で顔を隠した踊り手・囃し手と共に、数軒の家庭を周りながら、さらに、観客?と問答を繰り広げるというものです。
死者の霊を通じて、この世とあの世の境目を無くし、ユーモアを挟みつつ、尚且つものすごく機知に富んだ回答をするアンガマは、八重山方言と時には現代の単語を織り交ぜて話す、非常に趣のある行事です。

聞いても、さぱっりわからない言語を使います。
たとえば
質問者が、「ウシュマイ、死んだらどうしたらいいですか?」と聞いたとすると、
アンガマはこう答えます。
「ピトゥ、マーラスカー、マズ、イキヤ、サーヌクトゥドゥラー」
意味は(死んだら、まず、息をしたらいかん)(爆)

おまけにとんでもないほどの裏声を使うので、とてもまね出来るものではありません。

一応、資料としてパソコンに録音しようとお願いしたら、その声のテンションに10分欲しいと言われました。
隣の体育館で発声練習をしていただき、ようやく録音開始。
マイクを離して録らないといけないくらいの大音響でした。

声を発するというよりは、確かに何かが憑依している感じ。
映画のためとはいえ、儀式でないときに、やって戴いて、誠にすみませんでした。

ps 写真は、その録音風景です。本番さながら、言うより前に、顔を隠していらっしゃいました。(笑い)

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